前受金の固定負債への計上について(★☆☆☆☆)

質問

当社はサブスクリプションサービス(以下、サブスク)取引を行っています。サブスク取引では、2年分を顧客からまとめて受け取ることもあります。この場合、サービス役務提供前の収益は前受金(又は契約負債)に計上することが考えられると思いますが、前受金のうち、1年超は固定負債区分に長期前受金として計上した方がいいでしょうか?
①長期前受金として計上すべき
②長期前受金として計上すべきではない

結論

②長期前受金として計上すべきではない

基準

企業会計原則、財務諸表計算規則

整理

貸借対照表の流動区分に計上するためには、以下のいずれかに該当する必要があります。
①正常営業循環基準=通常の営業活動の中で発生した資産や負債は貸借対照表の流動区分に計上
②1年基準=1年以内に回収や支払期限が到来する場合は貸借対照表の流動区分に計上

前受金は、「商品の販売や役務提供のための代金」として商品の販売や役務提供前に受け取った金銭に関する勘定科目です。そのため、営業活動のためのものであるため、正常営業循環基準で判断します。
そのため、1年超後に収益へ振替をするものであっても、それが通常の正常なタイミングでの収益化が見込まれる場合には、流動負債に計上されます。

なお、得意先とのトラブル等で正常なタイミングでの収益化が見込まれない場合には、固定負債に計上することが考えられます。

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