シンジケートローンで資金調達した時のCF計算書(★☆☆☆☆)

質問

当社は当期に借入を実施することにしました。借入金額が多額なため、1銀行のみでは足りないことから、シンジケートローン(※)により借入を行うこととしました。シンジケートローンのため、通常の金利以外に参加金融機関を募集するアレンジャー(幹事金融機関)に対し、アレジメントフィー(仲介手数料)の支払いを行いました。
アレジメントフィー(仲介手数料)に重要性がある場合、CF計算書の計上区分は何になりますでしょうか?
①営業活動によるCF区分に総額で計上
②財務活動によるCF区分に借入額とアレジメントフィーを相殺した純額である実質手取額で計上

※金額が多額の場合に複数の金融機関が融資団(シンジケートローン)を結成し、同一の条件で行う融資を行うこと

結論

②財務活動によるCF区分に借入額とアレジメントフィーを相殺した純額である実質手取額で計上

基準

連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針_40項 最終改正2014年11月28日

40.社債や新株の発行等による資金調達の実質手取額は、発行価額から社債発行費や株式交付費を控除した額である。したがって、社債発行費及び株式交付費に重要性がある場合は、「キャッシュ・フロー計算書」上、実質手取額によって表示する。なお、これらの発行費等に重要性がない場合は、それぞれのキャッシュ・フローを総額によって表示することができる。

整理

基準は、社債や新株の発行等の資金調達を記載しており、シンジケートローンは記載ないですが、シンジケートローンも方法は異なるが同様の資金調達であると考えられます。
そのため、シンジケートローンのアレジメントフィーに重要性がある場合は、CF計算書において、社債や株式の発行手数料同様に資金調達額とアレジメントフィーの純額で財務活動によるCFで計上することが必要となります。
シンジケートローンによる借入機会は多くないため、見逃されやすい論点であるため留意が必要です。

<まとめ>
シンジケートローンのアレンジメントフィーの重要性に応じて以下会計処理を実施
・重要性がある場合=借入金額とアレジメントフィーを相殺した純額である実質手取額で計上
・重要性がない場合=借入金額とアレジメントフィーをそれぞれ総額で計上

よかったらシェアしてね!
目次