質問
当社は共同研究の成果が参加各企業に帰属する共同研究を行っています。共同研究は当社が研究を請け負う形で、契約で定めた委託研究完了時に共同研究の相手から委託研究料を受領することになっています。委託研究完了時にどのように会計処理をすべきでしょうか?
①売上
②対応する研究開発の研究開発費から控除
結論
②対応する研究開発の研究開発費から控除
基準
研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A(会計制度委員会)_2014年11月28日
Q3.・・・(上記省略)共同研究については、一般的に共同研究の成果は参加各企業に帰属するものと考えられるため、研究に要した費用の額のうち自己の負担した部分については研究開発費として処理することとなります。研究の実施に当たっては、共同研究の参加者の1社が参加者全員の委託を受け、研究開発を実施するとともに一旦研究開発費の総額を負担することがありますが、この場合、研究に要した費用のうち自社の負担部分を適正に算定し、発生時に研究開発費として処理することとなります。
整理
共同研究の成果は参加各企業に帰属に帰属するものと考えられます。そのため、共同研究の委託料として受領した金額は、参加企業が共同研究の成果を受領するための費用を負担をしたものと考えられるため、受領した金額は売上として計上するのではなく、研究開発費からの控除とすることが適切であると考えられます。
なお、実務で判断に迷う論点として、共同研究案件において、1社が参加企業からの委託を受けて研究開発を行っていたが、決算日までに参加企業から研究開発の負担額を受領できなかった場合があります。この時は、実務上のそれぞれの状況に応じた判断となりますが、参加企業からの研究開発の負担額に関し、契約書等で明記あれば、決算において当該明記金額をもとに研究開発費から控除する額を見積ること、または、参加企業からの研究開発の負担額が合理的に見込むことができないと判断の上、決算日段階では参加企業からの委託料を見積控除せず、実際に委託料を受領したタイミングで研究開発費から控除することが考えられます。その場合、研究開発費のマイナス計上となることも考えられます。
<まとめ>
共同研究の費用負担額から共同研究の相手先から受領した委託額を控除して研究開発費として計上
(例)
(研究開発費)共同研究の費用負担額 (未払金)〃
(現金及び預金)相手先からの受領額 (研究開発費)〃