収益認識における無料期間の取り扱い(★☆☆☆☆)

質問

当社はサブスクリプションサービス(以下、サブスク)取引を行う会社です。当社は、顧客にサービスを提供するにあたり、有料サービスの無料利用期間を設けており、無料利用期間中に顧客が有料サービスを継続利用しないことを決定できます。この場合、無料期間中に売上認識するべきでしょうか?
①売上認識するべき
②売上認識するべきではない

結論

②売上認識するべきではない

基準

収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号) 2020年3月31日
5.「契約」とは、法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる複数の当事者間における取決めをいう。

整理

収益認識基準において、契約において当事者が法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる取決めがあることが前提になります。無料期間中に顧客がサービスを継続しないことを決定できる場合、法的な強制力のある権利及び義務があるとはいえないと考えられます。そのため、収益認識基準の前提条件を満たさないことから、無料期間中は売上認識するべきであると考えられます。一方で、無料利用期間はあるが顧客が有料サービスを継続利用しないことを決定できない場合には、契約による収益全体金額を無料利用期間を含めた契約期間で除した金額で無料利用期間から売上計上するべきであると考えられます。

なお、無料期間中に発生する費用は販促費として販売費および一般管理費に計上することが適切と考えられます。

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