出荷基準が認められる限定的な場合(★★☆☆☆)

質問

当社は国内と国外に商品を販売しています。商品は部品から装置まで販売しており、部品は出荷から検収までに最大1週間程度ですが、装置は出荷から検収までに最大1か月かかることがあります。当期収益認識基準に基づいた売上計上基準を考えているのですが、出荷基準が認められる場合はありますでしょうか。
①国内の部品販売のみ
②国内の装置販売のみ
③国内の部品、装置販売のみ
④国外の部品販売のみ
⑤国外の装置販売のみ
⑥国内国外の販売すべて

結論

①国内の部品販売のみ

基準

収益認識に関する会計基準の適用指針_最終改正:2021年3月26日(企業会計基準適用指針第30号)
(出荷基準等の取扱い)

98.会計基準第39項及び第40項の定めにかかわらず、商品又は製品の国内の販売において、出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時(会計基準第35項から第37項、第39項及び第40項の定めに従って決定される時点、例えば顧客による検収時)までの期間が通常の期間である場合には、出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時までの間の一時点(例えば、出荷時や着荷時)に収益を認識することができる。
商品又は製品の出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合とは、当該期間が国内における出荷及び配送に要する日数に照らして取引慣行ごとに合理的と考えられる日数である場合をいう。

整理

収益認識基準において、出荷基準が認められる場合は限定的になり、原則は検収基準になります。出荷基準が認めあられる場合は、出荷基準と検収基準のどっちを採用したとしてもたいした差が少ないと考えられる国内への販売で数日間で取引が完結するような取引に限定されます。
今回の質問のケースでは、部品は出荷から検収までに最大1週間程度ですが、装置は出荷から検収までに最大1か月かかります。そのため、部品は出荷時から検収までの期間が通常の期間(数日間)とも考えられますが、装置は通常の期間を超えると考えられます。よって、国内の部品販売のみが出荷基準を適用出来ると考えられます。

<まとめ>
以下、2要件ともに満たす場合、出荷基準による収益を認識することが認められる。
①国内の販売
②出荷時から検収までの期間が通常の期間(数日間)

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