ファイナンス・リース取引とスタートアップ企業の相性がいい?(★★★★★)

質問

当社はスタートアップ企業です。当期から借手側のリース取引を開始しました。リース取引を開始したため、オペレーティング・リースとファイナンス・リースの検討を開始しました。検討したところ、会計処理の簡便さから出来るだけ、オペレーティング・リースの会計処理を適用したいと思ったのですが、当社みたいなスタートアップ企業においてファイナンス・リースの会計処理のメリットとしてどのようなものがありますでしょうか?

結論

ファイナンス・リースの会計処理の場合、資産を取得した扱いとなるため、ファイナンス・リース会計処理時に実際に支出していない消費税も仮払処理したことになるため、結果として消費税還付を受けることができ、資金繰りが助かる部分があります。

基準

税法No.6163 リース取引についての消費税の取扱いの概要

リース取引の賃借人における処理
リース取引による資産の譲受けが課税仕入れに該当する場合には、その課税仕入れを行った日はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。
したがって、その課税仕入れについては、そのリース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間において仕入税額控除の規定の適用を受けることになります。

整理

ファイナンス・リースの会計処理は、資産計上時に割引計算が必要であり、毎月リース会社からの請求書に基づき、そのまま費用計上することは出来ないため、会計上工数がかかるという負担があります。

一方で、ファイナンス・リースの会計処理は、実態として賃借取引ではなく、資産取得取引であると扱うため、消費税実際に支払をしていない消費税分も負担したこととすることができます。そのため、資金繰りが困ったスタートアップなどにおいては有用な会計処理ともいえます。

ファイナンス・リースの要件を満たすこと、会計実務の負担感を考慮の上、ファイナンス・リースの会計処理を行うことが有用となる場合があります。

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