監査法人の未来

監査法人の現状

監査業務は企業における不正が国内外で発生する度に年々増加しています。増加した監査業務に対応するために、日々21時頃まで毎日業務をするのが一般的になっており、マネージャー以上は監査業務以外に法人業務やリクルート活動などをしていることもあり、0時近くまで仕事していることも多いです。
一人当たりの業務量を軽減するための施策として、大手監査法人ではIT投資を積極的に実施しており、また大手監査法人に限らず、中小監査法人含めて監査アシスタント(AA=Audit Assistant)の方を積極的に採用しています。
監査アシスタントの業務は、証憑突合やデータ加工など、公認会計士としての判断を伴わない業務を主に担当することが多いですが、最近では従来は若い年次のスタッフが担当していた現金及び預金や固定資産、借入金など勘定科目の個別検討をするなど活躍の場が広がっています。離職率が高く、業務量が増加する業界において監査アシスタントの存在は業務負担の平準化を担う希望の星です。

監査法人の未来

財務書類の内容が適正であるかを保証するための監査業務は受験時代の勉強だけでは足りず、実務経験の中で学ぶことが多いです。
そのため、監査法人での経験を重ねた職員が多く在籍することが重要ですが、公認会計士はキャリアパスとして、
・税理士法人・会計事務所への転職
・アドバイザリー/コンサルティングファームへの転職
・上場企業への転職
・スタートアップCFOとしての転職
・監査役への就任
・独立開業
など幅広い選択肢があることもあり、離職率が高く、数値検証をする主戦力人員が若手中心になっています。

監査業務は、公認会計士だけができる独占業務です。
この独占業務は、監査責任者として監査報告書に署名するものであり、監査を実施する監査チームのうち、監査報告書にサインする監査責任者以外のメンバーは監査補助者といい公認会計士である必要はないです。
そのため、監査業務には経験が必要である一方で離職率が高い現状の中で、年々増加する監査アシスタントがより監査業務の中心業務を担うことが一つの解決方法かと思っています。ただ、監査アシスタントは公認会計士試験の勉強をしていない方が多いため、「監査とは何か」からまず教えることが必要になります。監査は特殊な仕事のため、しっかりとした教育が必要になりますが、IT投資と同じくらい投資価値があるものだと思います。
また、公認会計士試験の合格の有無に関わらず、監査アシスタントの方でも公認会計士と同等の業務をしている場合には賃金も同じとなることにより賃金が増加し、WIN-WIN-WINの関係になるといいなと思います。

これは完全に私個人の願望ですが、
公認会計士は、業務負担軽減により、より注力するべき業務に集中しつつ、ワークライフバランスが充実すること
監査アシスタントは、スキルアップにより年収を上げつつ、ワークライフバランスが充実すること
を願っています。

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