受取配当金の関連当事者注記での取り扱い(★★☆☆☆)

質問

当社には子会社がいます。子会社との取引として、子会社に対する貸付、子会社の借入に対する保証、子会社からの受取配当金がありますが、関連当事者注記の対象外取引はありますでしょうか?
①子会社に対する貸付
②子会社の借入に対する保証
③子会社からの受取配当金

結論

③子会社からの受取配当金

基準

関連当事者の開示に関する会計基準(企業会計基準第11号)9項(1) 2006年10月17日

9.関連当事者との取引のうち、以下の取引は、開示対象外とする。
⑴ 一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当の受取りその他取引の性質からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
⑵ 役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い

整理

関連当事者との取引は、対等な立場で行われているとは限らず、会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすことがあります。また、直接の取引がない場合においても、関連当事者の存在自体が、会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすことがあります。そのため、関連当事者の開示は、会社と関連当事者との取引や関連当事者の存在が財務諸表に与えている影響を財務諸表利用者が把握できるように、適切な情報を提供するために開示をすることが必要になります。
そのため、取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引は、関連当事者取引の開示対象外とされており、配当金は取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引として開示対象とされています。

毎年子会社からの配当がある会社で、過年度からの開示を継続する中で、子会社からの受取配当金を開示してしまっている会社もありますので、ご留意ください。

よかったらシェアしてね!
目次