質問
当社は、重要な得意先であるA社に対し貸付を行っています。貸付金は毎月一定額ずつを返済する契約になっています。当期において得意先の財政状態が悪化したことに伴い、A社からの貸付金及び利息の返済が滞留しています。この場合、契約に基づき、未収利息と受取利息を計上するべきでしょうか。
①滞留後においても、契約に基づき未収利息と受取利息を計上するべき
②滞留後は、未収利息と受取利息を計上すべきではない
結論
②滞留後は、未収利息と受取利息を計上すべきではない
基準
金融商品会計に関する実務指針119項_最終改正2019年7月4日
整理
滞留している未収利息及び破産更生債権等については、当期の損失として計上し、それ以降の期間に係る利息を計上することは認められていないです。
当期の損失計上方法は以下の通りです。
【原則法】
当期に対応する利息は受取利息を取り消し、前期以前に計上されていた部分は、貸倒損失の計上又は貸倒引当金の目的使用として処理する。
【例外】
多数の債権を有し、継続的に未収利息不計上債権が発生することが避けられず、原則法を適用することが実務上困難な企業は、受取利息からの控除とすることができる。
例外法を適用できる場合は極めて限定的であり、原則法を適用することが必要になります。
実務において、滞留している未収利息を継続的に計上、同金額を貸倒引当金として計上しているケースがあるため留意が必要です。